この連載は、フランスの「プジョーモトシクル」、そして同ブランドを取り扱うADIVA(アディバ)のヒストリーを掘り起こし、興味深いエピソードを皆様にご紹介するものです。第1回はプジョーが2輪製造をスタートした当時のモデル・・・を取り上げてみました。
初の2輪車は1898年に誕生!
みなさんご存知のとおり、その黎明期からフランスは自動車大国のひとつでした。そして1894年には「パリ-ボルドー-パリ」が既に開催されたモータースポーツ大国でもあり、そのほか「ゴードン・ベネット・カップ」や「フレンチGP」など、黎明期のモータースポーツのメッカでもありました。
一方であまり知られてはいないことかもしれませんが、フランスはかつて数多くのモーターサイクルメーカーを擁する国でもありました。テロー、マニャ-デ ボン、ソワイエ、モネ-ゴワイヨン、クレマン、ラティエ、ケラー -エスコフィエ、アルション・・・などなどのフランスの2輪メーカーの名は、今では一部のクラシックモーターサイクル愛好家を除けば、忘れた人がほとんどでしょう。
今日、自動車メーカ ーとして著名なプジョーは、なんと1898年に初の2輪車を発表しています。第1回パリモーターショーで発表したプジョー最初のモーターサイクルは、フランスのド・ディオン・ブートン製のエンジンを後輪側にマウントするというユニークなレイアウトを採用していました。
当時のプジョーのブランドロゴ。おなじみのライオンです! |
ショーに出展された2輪車は量産されることはなく、プジョーはド・ディオン・ブートン製エンジンを搭載する3輪車を生産することを選択しました。そしていよいよ1901年から、2輪車生産を始めています。
ド・ディオン・ブートン、ZL・・・そして自社製エンジンを採用
こちらの動画は、そんな最初期のプジョーモーターサイクルの姿を収めた動画です。
20世紀のプジョー2輪車は1901年に登場し、1/2馬力のスイス製ZL4ストローク単気筒を搭載していました。排気量は198ccで、その車重はわずか35kg! 25?40km/hの速度での巡行が可能だったそうです。
そして1903年には、2馬力のZL製エンジン搭載車、そして2馬力のプジョー自社製のエンジンを搭載するモデルを登場させています。このタイプCというモデルは、ボア66mm x ストローク70mm=239ccというディメンションを採用していました。
貴重な黎明期のプジョー製2輪車のサウンドを、ぜひ動画でご確認ください!