今回はEVのお話しですが、少しマニアックなモーターについてです。
ご存知の通り、EVはモーターのチカラで走ります。よって車体の構造も、ガソリンエンジン車とは当然変わってきます。
最もポピュラーな「日産 リーフ」のような四輪EVでは、ガソリンエンジン車でいうところの「エンジンがある場所」にモーターが配置されます。
このように車両前側のボンネットの下。つまり、エンジンの代わりにモーターを載せた、ということです。
これだと、ガソリンエンジン車と大幅に部品や構造を変えることなく、ガソリンエンジン車のノウハウを活かした設計をすることができそうです。
インホイールモーターなら、新しいデザインができる!
しかし!
EVの中には、違う場所にモーターを置く考え方があります。それが「インホイールモーター」。
インホイールモーターとは、文字通り、ホイールの中に納まっているモーターです。つまり非常にコンパクト。もちろんモーター以外に制御系の部品は必要ですが、パワーユニットとしては圧倒的にシンプルです。
ガソリンエンジン車で言うところの、エンジン、フューエルポンプ、フューエルタンク、インジェクター、スパークプラグ、イグニッションコイル、マフラー、スターターモーター、オルタネーター、12Vバッテリー、トランスミッション、クラッチ、デファレンシャル、ドライブシャフト……といった大量の部品が、いらなくなるのです。
これによって何が起こるか、というと、スペースに余裕ができ、デザインの自由度が大幅に上がります。
こちらは2019年の東京モーターショーで発表された、LEXUSのコンセプトEVモデル「LF-30 Electrified」。
LEXUSの解説によると、「インホイールモーターを動力とするEVならではの新しいデザイン表現に挑んだ」とのことです。
もはや出尽くしたと思われる自動車のデザインですが、まだまだ新しいデザインが生まれてくる可能性がある、ということですね!
インホイールなら、車両の動きも自由自在!
もう一つ、インホイールモーターの利点としては、それぞれのホイールの回転を電子的に緻密に制御できるということ。
「LF-30 Electrified」では4つのホイールそれぞれにインホイールモーターを内蔵しています。
4つのモーターの駆動力を自在に制御し、FF、FR、AWDなど走行シーンに応じ適切な駆動方式とするとともに、人の感性に寄り添った車両の姿勢コントロールができる、とのこと。一体どんな走りができるのか、とても楽しみです。
さらに、こちらの動画をご覧ください。
自動車のハブベアリングで世界No.1シェアのNTN株式会社が制作した小型EV「キューモ」です。その場で回転したり、平行移動したりと自由自在!楽しい!!
インホイールモーターになったことでドライブシャフトがいらなくなったため、ホイールの向きの自由度が格段に上がったのです。さらにモーターなので、逆回転も簡単。
こんなことが、バイクでもできたら面白いとは思いませんか?
アイディア AAカーゴならできるかも?
アイディア AAカーゴもインホイールモーターを採用しています。
しかも傾斜を制御することが容易な3輪構造。
つまり、リアホイールを左右で逆回転させれば、先ほどの小型EVキューモのような「その場で回転」みたいなことができるかも?っていうことです。
私たちは、日々色々な可能性を探りながら未来のモビリティを妄想しています。
アイディアの新しいアイディアに、どうぞご期待ください!